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コラムバックナンバー 弊社の社員が木材についての記事を書いてまいります

第102話 「紀伊国屋文左衛門」 第120話 「男と檜と香りの関係」
第103話 「消えた街路樹」 第121話 「ブナとイワナの関係」
第104話 「カゴメ野菜生活100」 第122話 「みのもんたさんが…」
第105話 「ゴム木とスマトラ沖地震」 第123話 「シカ食害深刻化」
第106話 「ウィスキーの樽」 第124話 「子供の森計画」
第107話 「ヒノキとYシャツと私」 第125話 「経木(きょうぎ)」
第108話 「百周年記念日」 第126話 「林と森の違い」
第109話 「荘川桜」 第127話 「木材で冷房を」
第110話 「おがくず使うバイオトイレ」 第128話 「柿の木ドライバー」
第111話 「桜の学習机」 第129話 「紅葉の謎」
第112話 「お坊さんと間伐材」 第130話 「娘が業界デビュー」
第113話 「がんばれ三宅島」 第131話 「カブトムシとクヌギ」
第114話 「ワンガリ・マータイさん」 第132話 「木桶復活」
第115話 「林業再生ロボット」 第133話 「冬は木で温もりを」
第116話 「レバノン杉」 第134話 「かまぼこの板」
第117話 「たくましき天竜杉」 第135話 「石から木へ」
第118話 「雑貨店オープン」 第136話 「ささくれ、とげ」
第119話 「森林認証制度」 第137話 「拍子木」


28・12・2005 「拍子木」

「火の用心、カチッカチッ」木と木を打ち鳴らす素朴な音。

何処からともなく聞こえてくる拍子木の音、浅草では町内会の方々が町内を回って夜警をしてくれます。
拍子木の木は樫(カシ)がよく使われています。
甲高い音ながら柔らかい音質が出て、素朴でとてもいい感じに聞こえます。
拍子木は、お祭り・歌舞伎・相撲など、昔から現在に続く大切な日本の文化ですね、素敵だ!
グッと寒くなってきました、そしてもうすぐ今年が終わろうとしています。
本年中はホントに本当にありがとうございました。
それでは、来年もまたお会いしましょう。(文:木材バカ四代)

19・12・2005 「ささくれ、とげ」

木材のささくれが手のひらに刺さって痛い思いをされた方は多いはずです。

私も先日、ブサっと刺さってしまいました。
これがまた痛いんですよねー。
結構大きいとげが刺さってしまい、その時は手で抜いて抜ききったと思っていたのですが、いつまでたっても痛いのが治らず、結局腫れて指が曲がりにくくなってしまいました。
とげが抜ききっていなかったのですね。
残っていたとげをきちんと抜く為に、安全ピンをライターで加熱殺菌して、患部をほじくり返してやっと抜くことが出来ました。
職業柄、木材のささくれが刺さることが多いのではと思われるでしょうが、意外とそうでもありません。
なぜならゴム引きの作業軍手を使っているからです。
これが使い勝手がすごくいいんですよ。(蒸れて手が臭くなるのが欠点ですが…)
おかげで材木屋のクセに少年のように柔らかいしなやかな手をしております!?
ちなみにきちんととげを抜くには、まず石鹸で手をよく洗い、五円玉を刺さった部分に軽く押し付けて盛り上がらせ、ピンセットで刺さった時と同じ角度で抜くのがよいです。
抜いた後は血を絞り出し、ばい菌を出してから石鹸で洗って消毒してください。(文:木材バカ四代)

08・12・2005 「石から木へ」

少し前の話になりますが、秋のお彼岸に墓参りに行った時のことです。

都内のとある小さなお寺なのですが、中に入って我が家の墓に向かって歩いていると、大小様々な墓石が目に飛び込んでくるのですが、綺麗に掃除されて綺麗な花が供えられているお墓もあれば、全くその逆のお墓もたまにあったりしておりました。
墓石はあちこちボロボロになっており、今にも崩れてしまいそうで、これでは安心して眠れないだろうなぁ〜と思ってしまいました。
それから数日後のことでした、「墓石の代わりに樹木を植える樹木葬墓地」というのが民間霊園で初めて東京都内に出来たと聞いたのは…。
墓地の中のある一区画を区切って「墓石」の代わりに「桜」の苗木を植え、その廻りに個人区画、共同区画と分かれており、個人のほうでは遺骨を土中に設けた底のない円筒に納めるそうです。
これならゆっくり眠られそうですよね。
「石の墓に入りたくない」「自然に帰りたい」などの理由で既に多数の契約者がいらっしゃるそうです。
わかるなぁ〜その気持ち!
さらに桜の咲く頃に会員同士で合同慰霊祭を行うそうで、無縁仏になっていても安心というわけです。
こうした墓地は今後どんどん増えそうだということですが、やっぱり石の下よりも桜の木下のほうがいい感じがしますよね。
私も検討してみようかな?(文:正さん)

28・11・2005 「かまぼこの板」

師走の慌しい季節がやってきましたね。

あっという間にお正月です。
お正月といえばおせち料理、おせち料理といえばかまぼこが不可欠です。
私も先日豊橋に行ってお土産にヤマサのちくわを買ってきました。
さて、日本人の食生活と木(箸やお椀など)は、切っても切り離せない関係があります。
かまぼことかまぼこ板の関係もそうです。(包丁で切れば切り離せるけど…)
かまぼこの板は白くて節のない、においのない木がよく使われています。
モミや松といった木です。
なかには杉の板を使っていることもあります。
杉のほのかな香りがかまぼこのうまみを引き立ててなかなかイイというツーな方がいるそうで…。
なぜ、かまぼこの板は木なのでしょうか。
かまぼこは蒸す時や冷やす時に、水分をはいたり吸ったりします。
その時に木の板は水分を調整してくれるのです。
それによってかまぼこは腐りにくくなります。
かまぼこが板付になったのは安土桃山時代といわれています。
かまぼこに板が付いていると、作る時に形を整えやすい、持ち運びに便利などなど、板はさまざまな役割を果たしているのです。
食べ終わったら板を再利用して、箱やネームプレートや子供の遊び道具などを作って楽しんでいる方々もいらっしゃいます。
ちなみに「板わさ」という、かまぼこを切ってわさびを添えた料理がありますが、なぜ「かまぼこわさ」ではなくて「板わさ」なのでしょうか。
これは、かまぼこイコール板を使う…という特色の為に、かまぼこのことを「板」と呼んだ料理人の間でできた言葉だそうです。(文:木材バカ四代)

17・11・2005 「冬は木で温もりを」

だんだんと寒さが厳しくなる季節となってきましたが、もうストーブを使っていますか?

今年は原油価格の高騰で燃料代がどのくらいかかるか心配してしまいますよね。
そのおかげでと言う訳ではないのですが、今年は薪ストーブや暖炉が流行りだとか?
ニュースで見たのですが、新築の家に設置する人が増えているそうですよ。
ガソリンや灯油よりも、木のほうが環境に優しいから魅力的です。
もちろん薪ストーブや暖炉には燃料の薪が必要不可欠となってきます。
どうやって薪を手に入れているのでしょうか。
薪ストーブや暖炉を購入した方々が安定して末永く薪が入手できるように、長野県には「柴刈十字軍」という薪集めの会が古くからあるそうです。
この会では会員の皆さんが集まり、森林管理されていない、人の手が必要な森林に入り、余分な木を間引きしたりして薪を確保し、会の方に提供しているます。
皆さんは燃料が確保できて嬉しく、森林は荒れ果てずに木たちも成長し素晴らしい事だと思います。
現在では東京から薪を毎月取りに行っている人もいるらしいです。
薪ストーブや暖炉を多くの家で使うようになり、柴刈十字軍のような活動を皆でしていけば、人は燃料確保の心配はいらず、環境に優しく、森林は荒れずに木はよく育ち、一石三鳥と言えるのではないでしょうか。
我家にも薪ストーブを置きたいのですが…うっうっう…(文:兄貴6)

07・11・2005 「木桶復活」

ウィスキーやワインはオーク材の樽で仕込まれます。

日本酒は言わずと知れたスギ材の桶です。
木の国・日本で育まれた日本酒には木と重なりあうイメージがありますね。
ところが、戦後の高度経済成長期、木桶はホーロータンクや合成樹脂タンクになってしまいました。
悲しい話じゃありませんか。
外国では今でも木樽で酒を造っているってーのに、木の国・ニッポンじゃ効率と衛生を追求するがあまりに…。
日本が木桶で酒を造らなくなったわずか四十年の為に、伝統の技術が永久に失われてしまうのです。
桶づくりの技術を受け継ぐ桶師の世界でも、後継者難に直面しています。
しかしこの危機に、「桶仕込み保存会」が発足してくれました。
発起人はなんとアメリカ人女性ですよ。
がんばっていただきたい。
木桶で仕込まれた日本酒はうまいらしいですよ。
木肌に自然に穿たれた無数の孔に棲みつく微生物は発酵に影響を与え、桶ひとつひとつに独自な味わいをもたらすそうです。
いいじゃーないですか、木桶の日本酒。
飲みたいです。(文:木材バカ四代)

28・10・2005 「カブトムシとクヌギ」

Q:大工さんは、小学生が将来やりたい職業の第何位でしょうか?
A:第四位です。

うれいしかぎりです。
日本人のものづくりに対する潜在的な尊敬度が高い証拠ではないかと思います。
 
Q:小学生が知っている木の種類は何でしょうか?
A:クヌギです。
 
驚きの答えです。
杉か桧だろうと思っていたのですが、クヌギなんて!
クヌギとは、ブナ科でコナラと兄弟ともいえる木です。
コナラと大きく異なるのは、樹皮が灰褐色で厚く、コルク状であり、独特の縦の裂け目がある点です。
比較的湿気の多い土地に生えています。
材は硬く、薪炭、椎茸のほだ木に利用するほか、樹液にはカブト虫やクワガタが集まることで有名です。
そうです、だから小学生がクヌギのことをよく知っているのですね。
甲虫王者ムシキングの世界です。
めちゃくちゃ流行っていますが、私にはさっぱり分かりません…。
硬くなったゴキブリのように見えてしまいます。
いずれにしても、子どもたちが木のことを知ってくれるのはうれしいです、はい。(文:木材バカ四代)

18・10・2005 「娘が業界デビュー」

愛娘が生まれて一年半が過ぎました。

材木屋の家に生まれたので、なるべく「木」のもの(歯固め・スプーン・おもちゃなど)を身近に与えて育てています。
そんな娘が業界デビューを果たしました。
業界と言っても芸能界ではなく、木材業界のことなんですけど…。
また、デビューと言っても新木場で行われた「銘木感謝祭(by東京銘木協同組合)」に行っただけなんですけど…。
このイベントの趣旨は、「銘木は高価なので一般の住宅では使いたくても使えない」といったイメージを払拭し、新築・改築をお考えの施主様をはじめ、材木店・建材店・工務店・建築会社の社員から設計士の皆様まで、銘木をより身近なものとして感じていただけるようにしたい…というものでした。
室外倉庫には原木や製材が所狭しと並べてあり、大きな室内倉庫には床柱・天井板・銘竹・テーブル・カウンター材など、すごく見ごたえのあるものでした。
娘も大はしゃぎで、ペタペタ触ってみたり、材木のニオイを嗅いだり、何度も転びながら走り回っていました。
危なくてしょうがない!
でもすごく関心を示していたので、材木屋の父としてはご満悦の一日でした。(文:木材バカ四代)

08・10・2005 「紅葉の謎」

急に涼しくなってきましたね。

朝晩が少し涼しくなってくると、北のほうから紅葉の話が聞こえてきます。
綺麗ですよね、紅葉は。
自然の神秘を感じます。
紅葉は落葉樹の葉が光合成を止めることを言います。
植物の葉は緑の色素(クロロフィル)、赤の色素(カロチノイド)、黄色の色素(キサンフィル)等をいろいろな割合で持っています。
普段は光合成の働きをするクロロフィル=葉緑素が圧倒的に多いのですが、秋になるとクロロフィルは分解され、緑色が消えます。
そしてカロチノイド、キサントフィルが葉の表面に現れてきます。
つまり、紅葉とは葉の色が変わるのではなく、単に緑色が消えることなのです。
黄色くなるか、赤くなるかはその植物の持っている色素の量の違いです。
今年の夏は暑かったので、急激な秋の冷え込みがあると色鮮やかな紅葉が期待できます。
近くのモミジが今年はどんな紅葉を見せてくれるか、今から楽しみです。(文:Akio)

30・09・2005 「柿の木ドライバー」

ゴルフのドライバーの話です。

最近の主流はチタンなどの金属ヘッドですが、その昔はパーシモン(柿の木)が使われていました。
材に粘りがあって、重量と硬さのバランスが絶妙。
野球のバットに使われているタモやトネリコも使われていましたが、やっぱりパーシモンが一番だそうです。
実は今でもパーシモンヘッドのドライバー愛好家がいます。
金属ヘッドのパキーンという派手な打撃音と違い、実に耳に優しい打球音がしますし、木目を活かした洋ナシ形の優美なデザインはまさに芸術品。
たしかに最近の金属ヘッドのほうが飛距離は伸びるし、スイートスポットが広い分、打点を外してもそれほど飛距離は落ちません。
しかし、このミスを抑えるお助け機能が曲者で、自分のスイングの短所に気がつかない。
その点パーシモンはスイートスポットが狭いので、外せば極端に飛距離が落ちます。
つまり、安定感のあるスイング作りに役立つ。
スイングの練習用には最適なのです。
…、と言う私はてんでゴルフ音痴でして、スコアを数えるのが大変で無口になってしまうほど下手です。(文:木材バカ四代)

20・09・2005 「木材で冷房を」

ここ数年、環境問題があちらこちらで取り沙汰されるようになり、それにつられるかのように、我らが木材も見直されてきたのは、皆さんご承知の通りであります。

住宅以外での、まったく新しい活用法、利用法などが、昨今どんどんと世間に発表されておりますが、私これには驚いちゃいました。
普通、木材を燃やすと聞けば、暖炉などで燃やしたり、焚き火をしたり、いわゆる暖まることを想像しますよね。
ところが違うんです。
燃やして冷房するんです。冷房。。。
そのとてつもなくすばらしいことは、岩手県大迫町の町役場で行われております。
冷房にする仕組みを簡単にご説明しますと、まず水を真空に近い状態にすることにより、水蒸気を発生させますが、この時、水は周囲から気化熱を奪う冷却効果により冷水となり、この冷水を使い冷たい風を作り出します。
発生した水蒸気は臭化リチウムを含む吸収液に吸収され、ボイラーで熱せられるのですが、この時に木材のチップが燃料とされます。
そして、熱せられた吸収液は濃度を元の状態に戻し水を蒸発させます。
この水蒸気を水に戻し冷却塔である程度冷やされ、元の真空装置内へと送られていき、見事に循環されていくわけです。
ボイラーをガスや重油で熱して使う設備は普及していますが、燃料に木材が使われたのは全国で初めてのことだそうですし、この木材は地元の森林組合から出た残材などをチップにしたものだというのも、いいんじゃないですかと思いますね。
また、バイオマス燃料である木材を使うことにより、重油ボイラーを使う場合よりも一般家庭約260軒が冷房時に排出する二酸化炭素を削減できるそうです。
ただ問題は、このチップボイラー、初期費用が重油ボイラーに比べると、少々お高いらしいんですね(約10倍)。
その分耐用年数は長いということですが…。
もっともっと広く普及させていくには、国や地方自治体の資金協力や援助が絶対的に必要となってくるのではないでしょうか。(文:正さん)

07・09・2005 「林と森の違い」

「林」と「森」の違いっていったい何でしょうか?

皆さんは意味を分かった上で使い分けていますか?
林は「生やす(はやす)」が語源だそうです。
なので、人工的に生やし、育てた木々を指します。
一方、森は「盛る」が語源。
なので、自然と盛り上がるように生まれてきた木々を指すのです。
言葉って面白いですね。
「休」という字は、「にんべんに木」と書きます。
人間は木に寄り添ってはじめて休むことが出来るのですね。
「親」という字は、「立っている木を見せる」と書きます。
昔の親は子供と一緒に森や林に入って、木を見せていたのでしょうか。
風雪に耐えながらも少しずつ、しかしスクスクとたくましく育っていく様を見せながら、
「人生は厳しいぞ、息子よ。しかしな、腐っちゃならんぜ、一年一年年輪を重ねるように成長していっておくれ。そして大地に深く根を張るんだぞ。」
なんてことを話していたのではないでしょうか。
私も子供と一緒に林や森に行き、森林浴をしながら人生を語りたくなってきました。(文:木材バカ四代)

27・08・2005 「経木(きょうぎ)」

その昔、経木という木を紙のように薄く削ったものがありました。

おにぎりや菓子、肉などを包むのに使われるものです。
もっと昔、紙が少なく高価な時代は紙の変わりに、これにお経を書いたので「経木」という名前で呼ばれたのだそうです。
材質は松やシナなどなど。
数十年前までは一般的に使われていたので、ご記憶の方も多いと思います。
経木は使い捨てても時間がたてば腐って土にかえります。
最近は経木の代わりにビニール袋やプラスチックの容器が使われていますが、これらを捨てても土にかえることはなく、焼却すれば有害物質を吐き出します。
木は使って植えてを繰り返せば尽きることはありませんが、石油製品はいずれ資源が枯渇します。
そういえばインドでチャイ(ミルクティー)を飲むの時は、今でも土で作った素焼きの容器を使います。
飲み終わったらその容器を地面に叩きつけて、ごちそうさまです。
最初にその様子を見た時はびっくりしましたが、よく考えるととても合理的です。
私もやってみました。
最初は「もったいないかな」っと躊躇しましたが、叩きつけるとストレス発散にもなって面白かったです。
うーん、インド人びっくりです。
でも宿の部屋のゴミ箱の中に捨てたゴミを、掃除のおばちゃんがポイっとガンジス川に捨ててしまったのには唖然としました。
おいおい、インド人恐るべしです。
使い捨てすることはすべてが「悪」なのではなく、使い捨ててもゴミにならない材料を使うことのほうが、「エコ」につながる事もあるのですね。(文:木材バカ四代)

18・08・2005 「子供の森計画」

子供の頃、コツコツとベルマークを集めたことを覚えています。
最近ではベルマークが苗木に変えられるのです。
学校ではもちろん、個人でもベルマークを集めて財団法人オイスカに送ると、100点で苗木1本が買えて、途上国の植林促進に役立つそうです。
ベルマークを送った人にはお礼状まで送ってくださるそうです。
私も今度送ってみますね。
この他にも財団法人オイスカの子供の森計画では、「LOVE GREEN」というJCBカードを発行していて、買い物をするだけで利用金額の一部が寄付されて苗木へと変わるのです。
特別に個人負担があるわけでもなく、気軽に買い物をするだけで緑化の役に立つなんてとってもすばらしいカードですよね。
デートの時にさりげなく「LOVE GREEN」カードでチェックすれば、女性はホロッとくるかもしれませんぜ!
また、東急ホテルでは、アメニティグッズを使用しなかった時に、一緒に設置してあるグリーンコインをチェックアウト時にフロントに持っていくだけで支援となるのです。
結構My歯ブラシなどを持って旅行に行く人も多くいると思うので、全国のホテルで実施できるのではないでしょうか。
まだまだ他にもあるのですが、結構簡単なことで財団法人オイスカのこの「子供の森計画」に参加できるので、皆さんも協力してみましょうよ。(文:兄貴6)

08・08・2005 「シカ食害深刻化」

野生のシカが急増し、植林直後のスギなどが食い荒らされる被害が奥多摩で深刻化しています。

裸になった山肌から土砂が流れ出し、斜面が崩落する事態も起きています。
私はケービング(洞窟潜り)や沢登りをやりに奥多摩によく行きます。
川の源流近くで喉が渇いても、奥多摩の水は飲みません。
他の川では冷たくきれいな水をグビグビ飲みますが…。
奥多摩では本当によくシカの糞を見かけるし、シカにもよく出くわします。
最初は「おっ、シカだ!かわいい!」と驚いたものですが、あまりにしょっちゅう出くわすので、なんの興味も示さなくなりました。
単に臭いだけです、シカは。
10年前には300頭だったシカは、現在3000頭まで増えたそうです。
なんと10倍です。
年間600頭は捕っていい政策になったのですが、それ以上に増え続けているそうです。
地元で林業を続ける人は、苗木にカバーをしたり、斜面をネットで覆ったりして対策を立てていますが、それでもシカに食べられてしまいます。
お金もかかるし労力もかかりますね。
私も植林した経験がありますが、一本一本苗木にカバーをつけていくのは大変でした。
ただでさえ木材の値段が安くなって林業の採算が合わなくなっているのに、さらにコストがかかってしまっては「泣きっ面に蜂」ではなくて「泣きっ面にシカ」です。
動物愛護の人々は「シカを捕るのはかわいそう」だとか「殺さないでほしい」とおっしゃるでしょうが、増えすぎたシカによって自然環境が破壊され、生態系も危機に陥っています。
シカちゃんは鍋に入れて食べちゃいましょう。(文:木材バカ四代)

29・07・2005 「みのもんたさんが…」

昼飯を食べていたときのことです。

ついていたテレビからこんな声が聞こえてきました。
「だから、木なんですよ!奥さん、わかりますかぁ〜」
ん、なんだ?と思い、顔を上げてみると
「みのもんた」さんの「おもいッきりテレビ」という番組でした。
ゲストの方々が手に無垢板を持っていて、何種類かを比較しては
「こっちのほうがいいなぁ〜」などと言っていました。
何のことかなぁ〜と思いつつそのまま聞いていると
「木の持つ特性を生かし健康的な生活を」というテーマでした。
番組では、木の持つ木目が人に非常にリラックス効果をもたらすとして、
選ぶポイントとして、より木目が多くはっきりとしたものがよいとか、
寝苦しいこれからの季節には、調湿効果のあるチップなどを寝具として利用するのもいい、
ジメジメ感を取ってくれたり、逆にクーラーによる乾燥を防いでくれたりもする。
更に、抗菌、消臭効果もあるのでアルコールに木を一晩漬けたものを数倍に薄めて、
雑巾がけの時に使用したり、一日履いた靴に木片を一晩入れておけば、翌日もスッキリ。
また、材木から抽出した香り成分などが、一部のがん細胞の成長を抑制する、という驚くべき報告もアメリカの大学から届いている。
などなど、ホントにたくさん良い話を取り上げて下さっていました。
「みのもんた」さん、ありがとう!
このコーナーで取り上げられた食材などは、次の日にはもうどこのお店に行っても品切れになってしまうというほど、恐ろしい影響力を持つ番組だそうです。
うちの倉庫も満タンにしておかなくてはいけないな!
などと、思ったりもしていま〜す。(文:正さん)

19・07・2005 「ブナとイワナの関係」

暑い日が続きますね。

こんな日には川が一番です。
沢登りをしていると、たまに渓流釣りを楽しんでいる人に出会います。
「よくこんな山奥まで釣りのために登ってこられるなぁ」なんて感心しますが、今回はそんな釣り人が狙うイワナとブナ林の関係について話したいと思います。
木材としてのブナはメジャーな材で、イスや雑貨に幅広く使われています。
林としてのブナも、白神山地が世界遺産に登録されたのをきっかけに一気にメジャーになりましたね。
そのスポンジのような大地の貯水能力は驚異的で、ブナ林に入ると柔らかな酸素と霧のシャワーを浴びているようなよい気分になります。
そんなブナの木につくブナ虫は、イワナの大好物でこの虫が発生するとイワナも大繁殖するそうです。
しかし自然の循環法則はすばらしいもので、ブナ虫が発生するのは三年置きぐらいだそうです。
毎年ブナ虫が発生すれば、イワナは豊作ですがブナ林が丸裸になってしまいますからね。
もう一つ自然の循環法則のすごいことがあります。
それは、ブナが実をたくさんつけるのは数年間隔だということです。
もし毎年たわわに実をつけると、それを当てにする動物が繁殖し、ブナが子孫を残すことが難しくなってしまいます。
間隔を置いた豊作が子孫を残す手立てのようですね。
まさに共生の仕組みです。
これって人間の子作りにも当てはまるでしょうか。
最近日本では少子化が社会問題になっていますが、地球規模でいうと人間の人口は増えすぎです。
自然との共生を考えたら、日本の少子化はむしろ歓迎することなのでしょう。
…と、言いながら今夜も子作りに励んじゃおうかな!?(笑)(文:木材バカ四代)

07・07・2005 「男と檜の香りの関係」

日焼けした肌、汗ビッショリ、ツーンと漂う体臭、これが材木屋、働く男の心意気。

いかがでしょうか、汗臭い材木屋の仕事は。
こんな男達が時代のトレンドなってきたような気が、最近するのです。
えっ?!
以前に檜の香りがするYシャツの話をしましたが、今回は香水の話です。
資生堂が男性向け香水「シセイドウ メン オードトワレ」を発売しました。
樹齢300年の檜から抽出した香料を配合し、おしゃれな男性を演出する香りに仕立てました。
「シセイドウ メン」シリーズの肌用化粧品に配合しているストレスを緩和する香料も配合。
パッケージのデザインは白を基調とし、知性と力に満ちあふれる男性をイメージしたそうです。
まさに材木屋にピッタリの香水ではありませんかぁ!
私も製材所に行った帰りに檜のおがくずを体に擦り込んでくれば、「シセイドウ メン」になれるかもしれませんね。(文:木材バカ四代)

27・06・2005 「森林認証制度」

日本にも数々のホームセンターがお目見えするようになりました。

ドイトやジョイフル本田やカインズホームなどなどです。
かなり大規模な店舗を持っているところもありますが、ホームセンターの本場、欧米ではもっともっと大規模な店舗があります。
その中で、世界第三位であり、イギリス最大(330店舗)のホームセンターであるB&Q社についてのお話をひとつ。
…と言う私は、QBっていう床屋さんだったら何度か行ったことがありますが、B&Qには行ったことが無いのですが…。
この会社で取り扱っている木材製品は、なんと80%がFSC認証によるものだそうです。
FSCとは、「太った・佐久間木材・クラブ」のことではありません。
継続可能な森林管理を推進することを目的に、1990年にできた森林認証制度のことです。
日本では速水林業さんや梼原森林組合さんなどがFSC認証を得ています。
B&Qの方針は、「すべての木材製品は出所となる森林の場所が分かっており、サプラリヤーが、当該森林が適切に管理され、それに関して独立した認証が行われているということに関する十分な保証を与えるものでなければならない。」としています。
すばらしい方針だと思います。
ただし、FSC認証を得るには膨大な書類と手数料が必要です。
日本の大多数の林業家は小規模なものが多く、継続可能な森林管理を行っているのに、認証を得ていないケースがあります。
一概に認証を得ていない木材製品は駄目だっていう運動に発展するのは間違っていると思うのです。(文:木材バカ四代)

16・06・2005 「雑貨店オープン」

木の雑貨専門店 http://www.kinozakka.com/ をオープンしました。

店名は「comoku(コモク)」。
ちいさな「木のモノ」…だからcomokuです。
木に関するコモノ達を、生活雑貨からおもちゃまで、日本全国歩き回って集めてきた品々を販売しています。
その数ざっと1000品。
そこからさらに絞りに絞った品々を販売します。
木製のものだけでなく、「木」や「みどり」をキーワードに集めましたのでTシャツなどもあります。
今後は世界中を歩き回って集めてこようと思っています。
そして、オリジナル製品も続々発表する予定です。
乞うご期待!
お知り合いの結婚プレゼントや出産プレゼントなどにご利用いただけたら幸いです。(文:木材バカ四代)

06・06・2005 「たくましき天竜杉」

日本全国、あちこちに歴史のある木造建造物は残っておりますね。

ちょっと変わった珍しい木造建造物で、今ではたったひとつしか残っていないものをご紹介します。
静岡県天竜市にある「鉄道の扇形車庫」です、しかも現役の…。
静岡県の天竜二俣駅では、今から65年前に造られたその木造車庫が、いまだに現役でがんばり続けているのです。
国鉄時代の1940年に地元の木材を使って建てられたこの扇形車庫の内部は、ススと油まみれで真っ黒になった何本もの長い柱が斜めに交差しながら天井を支えています。
当時はSLの車庫だったことが想像できますね。
昭和40年頃まではこの町から木材が頻繁に東京や大阪に運ばれていました。
住宅の柱と言えば、天竜杉。
ところが今は、天竜自体の木材生産量は当時の20分の1近くまで落ち込んでいます。
昨今の外材の輸入量を考えればいたしかたないことか…残念。
しかし、町の人々は元気です。
今では国の登録有形文化財でもある、この車庫がある限り!(文:正さん)

26・05・2005 「レバノン杉」

私はレバノンには多少親近感があります。

なぜなら、十数年前にレバノンの近くで働いていた経験があるからです。
それともう一つは、国旗に木(レバノン杉)の絵を使っているからです。
レバノン杉はマツ科の針葉樹で、高さ40m幹周り10mにもなる木です。
腐朽や虫に強い良材だったのですが、生育している場所が最古の文明といわれるエジプトとメソポタミアに挟まれている為に、ほとんど伐り出されてしまいました。
王家の谷で発見されたツタンカーメン王の金張り人型棺は、この樹を彫り込んだものだそうです。
今なおレバノン杉が残っているのはごくわずかになってしまったのです。
樹齢六千年の巨樹はわずかに一本。
樹齢数千年の巨樹は約30本です。
そのレバノンでは、この2月28日に親シリア派の内閣が、市民による民主化推進デモの圧力で総辞職しました。
名づけて「杉の革命(シダー・レボリューション)」といわれています。
レバノンが、はやく昔のような杉がたくさん生えている美しい国になるように祈っています。(文:木材バカ四代)

16・05・2005 「林業再生ロボット」

木材は再生可能な資源です。

植林―下草刈―間伐―枝打ち―伐採―植林を繰り返していけば、永遠に無くならない資源です。
木を育てる仕事=林業は、長い時間と多くの人々の力を必要としています。
しかし残念なことに、森林で働く人がこの20〜30年減っています。
木材の価格が安くなりすぎて、森林で働く人々までお金が入らなくなってしまったのですね。
とても残念なことです。
そこで登場したのが鉄腕アトムならぬ、「ウッディくん」林業再生ロボットです。
まだオペレーターが操作する枝打ち専用のロボットですが、長い腕で木に登り、枝打ちをします。
たまに滑り落ちますがご愛嬌。
今後はもっと改良され、自律型ロボットを目指しているそうです。
6月の「愛・地球博」ロボットウィークに登場し、その技を披露してくれます。
私も「愛・地球博」に行って、ウッディくんと握手したいな。
手を切り落とされちゃったりして!
(枝打ちロボットはウッディくんの他に、「新型ロボット439(よさく)」がありますが、どちらもネーミングがやばいですね。)(文:Akio)

06・05・2005 「ワンガリ・マータイさん」

人はよく、自分以外の人や物に文句を言ったり批判したりしてしまいます。

「現状がこうなってしまったのは、あの人がああしたからいけないんだ」
「まったく誰も分かっちゃいない」
「なんでこんなことも理解できないんだ」・・・とかね。
私もそう考えてしまうことがよくあります。
でもそんな考えじゃー状況は一向に好転しないんですよね。
状況を改善する為に、文句を言うよりも先に、まず自ら行動に移すことが大切なのではないでしょうか。
ノーベル平和賞をアフリカの女性ではじめて受賞したワンガリ・マータイさんは、行動に移した人です。
つい先日、日本にいらっしゃいましたね。
マータイさんは、食べ物や食事を作るための薪が手に入らず困っていたお母さんたちを見て、7本の木を自宅の裏庭に植えました。
これが植林活動の始まりでした。
1977年に「グリーンベルト運動」をつくり、最も弱い立場の農村女性たちに参加を呼びかけ、約8万人が参加し3000万本もの苗木を植えたのです。
ちょっとした事を行動に移せるか移せないか、その機微が結果的に大きな人間力の差に表れてくるのでしょう。
はい、私もがんばります。(文:木材バカ四代)

23・04・2005 「がんばれ三宅島」

先日、火山噴火以来4年ぶりに三宅島へ戻る島民の姿をテレビで見ることが出来ました。

まだまだ一部立ち入り禁止区域などがあり、完全再生には長い年月と大変な努力が必要なのでしょうが、ひとまずは「あぁ、よかったな」と思わずにはいられませんでした。
もともとは緑豊かだったこの島も、火山灰と火山ガスにより現在では森林の約6割が荒廃してしまっているとのことです。
そんな中、この三宅島に緑を取り戻そうと、昨夏頃より活動している団体があります。
都立園芸高校の生徒達です。
「三宅島緑化プロジェクト」と名付けられたその内容は、火山ガスに比較的強いとされる「ヒサカキ」「ヤブツバキ」の苗木を育てて植林していこうのいうものです。
さらには、同校OB達により「園芸アグリセンター」というNPO法人までもが結成されました。
こちらは村民と生徒達のパイプ役を担うことをはじめとしながらも、なんと「大島桜」約300本の植林も来春の開花を目指して行うとしています。
しかしながら山の現実は厳しく、立ち枯れた木々を抜き、処分しなければ新たな植林は出来ず、なおかつそこに通じる林道も多くが破壊されたままで、土砂崩れが起きる心配も少なくないそうです。
前途多難ですが、なんとかがんばっていただきたいと思います。
我々もいつも聞いているばかりではいけないな…と強く感じたニュースでした。(文:正さん)

14・04・2005 「お坊さんと間伐材」

最近お経にハマっています。

毎朝近所のお寺に行ってお経を聞いているのです。
結構メロディーがあるんですね、お経って。
大勢のお坊さんが読経されると心にジンジン響いてきて、とても心地良いものです。
気持ちが落ち着いて、スッキリとした一日をはじめられます。
おすすめです。
ところで今回のお話は岐阜県のお坊さんが杉間伐材のパネルを開発されたというニュースです。
お坊さん恐るべし!
杉角をログハウスのように積み重ねてボルトで締め、パネル化したのがこの工法です。
画期的な点は、杉角の上下に平らな溝を施して、その溝にヌキを差し込んだことです。
これによって乾燥していない挽きっぱなしの杉間伐材を使っても見付け部分には割れや狂いがほとんど生じず、割れなどは溝の部分に集中して現れます。
まさに木の性質をうまく利用しているのです。
なんと七年前から間伐材の有効利用を考えて試行錯誤して、やっと完成させたそうです。
お坊さんの情熱、すごいですね。
本堂の隣にデモンストレーションハウスを建てられたそうですが、そこでこのお坊さんのお経を聞いてみたいです。
無垢の杉に囲まれているので、きっと良い音響だと思います。(文:木材バカ四代)

04・04・2005 「桜の学習机」

桜の開花宣言も出て、いよいよ花見シーズン到来です。
新入学の子供の胸も、どんどん膨らんでくる季節になりました。
桜といえば先日こんなご注文をいただきました。
それは、桜材で子供の学習机を作りたいといううれしいご注文でした。
けれども材料探しに一苦労しました。
私達の業界では桜といえば樺をさします。
厳密には桜はバラ科で樺はカバノキ科なので違う樹種になるのですが、見た目が似ているのと樺のほうが市場に流通しているので樺材が使われています。
しかしこの樺材が曲者で、心材と辺材の色がはっきりと区別でき、はぎ合わせると見た目がちょっと美しくいかないのです。

かと言って心材の赤身だけとなるととんでもなくお値打ち物になってしまいます。
一生使うものだからといっても、ディスカウント全盛の世の中、その様なわけにもいかず、なんとか赤白で納めることが出来ました。
苦労はしましたが、今後もこだわりのあるお客様が増えてくれるといいなと思えた仕事になりました。(文:ゴン)

24・03・2005 「おがくず使うバイオトイレ」

私、実はトイレに詳しい男です。
なぜならいろんなトイレを経験してきたからです。
ドアのないトイレや便座のないトイレは序の口で、壁や天井のないトイレでもしてきました。
やけに位置の高い小便用トイレや、葉っぱで拭くトイレや、手で拭くトイレでもしましたね。
もっと言っちゃうとトイレでカマを掘られそうになったことも…。
思い出すわ〜。
ホントにトイレにはいろいろなドラマがありますよ。
さて、数あるトイレの中にバイオトイレというものがあります。
バイオトイレは環境保全のために山小屋などに普及し始めていますが、これまではニオイの問題があり、室内では使いにくいものでした。
ところが新しく石崎教授(長崎大学環境科学部)が考案したバイオトイレは、洋式トイレの下部に尿と便とを分け、それぞれ個別に処理する仕組みです。
尿は、ある半導体でニオイの元になる菌の発生を抑制し、便はおがくずをかき混ぜて分解します。

おがくずの交換は三ヶ月に一度、尿の取り出しは一日一回で済むそうです。
間伐材の有効利用にもなるし、水洗式でないので水の節約にもなります。
ん〜、いいですね、エコですね〜。
家庭向けの介護トイレや災害時用としても最適でしょう。
私も早くバイオトイレを経験して、トイレを語れる男に磨きをかけたいと思います。(文:木材バカ四代)

14・03・2005 「荘川桜」

今年の2月1日に、大阪市よりも大きく、東京都とほぼ同じ面積を持つ日本一広い新しい市が誕生しました。
飛騨の高山市と周辺の九町村が合併した、新「高山市」です。
その中に(旧)荘川という村がありました。
1960年代の日本は電力不足を解消する為にダムが造られ、その為に水没する町村がたくさんありました。
荘川村もその一つでした。
しかし荘川村には樹齢400年を超える見事な桜の木があり、村民の心の支えだったそうです。
御母衣ダム開発で水没する老桜を惜しみ、高台へ移植することになりました。
幹周りは6mになるたいへんな大木で、移植には枝を切断しなければなりませんでした。

桜は枝を切ると、そこから腐り枯れてしまうことがよくあります。
「桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿」という言葉があるとおりですね。
苦心の末、枝の切り口にコールタールを塗ることで解決したそうです。
この間の苦労と成功の物語は、水上勉の「櫻守」に詳しく書かれています。
現在、移植された桜は荘川桜として桜の季節にはたくさんの見物客が訪れるそうです。
もうすぐ桜の季節ですね。
先人達の心意気、荘川桜をぜひ拝見したいと思います。(文:Akio)

04・03・2005 「百周年記念日」

3月8日は当社の創業百年周記念日です。
百年前といえばちょうど日露戦争の時。
日本に重工業が発達し、産業革命を成し遂げ、先進国の仲間入りをした頃です。
木挽き(丸太を大鋸で製材する)職人だった初代は、その頃独立しました。

戦中の混乱の中、どのように創業したのか想像もつきませんが、かなり積極的で精力的でないと出来なかったことだと思います。
私で4代目になります。
代々続いていくと、事業が保守的になるものですが、私は木にこだわりを持つと言う点に関してはとことん守っていきながら、時代時代の変化にあった仕事を積極的にしていきたいと思っています。
百年後の今は第二の産業革命とも言われるIT革命の時代です。
当社も第二の創業の気持ちで、がんばっていきます。
今後ともご愛顧の程、よろしくお願いいたします。(文:木材バカ四代)

24・02・2005 「ヒノキとYシャツと私」

近所にポニークリーニング(http://www.pony-cl.co.jp)というクリーニング屋さんができたので、早速ワイシャツをクリーニングに出してみました。
すると、出来上がったワイシャツからほのかにヒノキの香りが漂ってくるじゃーありませんか。
驚きです。
私が材木屋だと気付いたクリーニング屋さんからの粋なサービスか?…と、都合の良い解釈をして喜んでおりましたが、どうやらこれはポニークリーニングさんの特許技術なのだそうです。

説明書には下記のように記されております。
「抗菌・消臭・脱臭・アロマテラピー効果 ひのきの香り 健康ワイシャツ
ワイシャツのりにマイクロカプセル化した天然ヒノキチオールを配合。着用中の摩擦でカプセルが割れ、ヒノキの成分を発揮します。」
すごい技術ですね。
最近私はヒノキの香り付ワイシャツを着て気分良く仕事しております。
お客さんが当社に来店された時、「おー、さすがは材木屋さんだ。いいねー、プーンとヒノキの香りが漂っているじゃねーか」っておっしゃる。
「いやいや、そいつは私のワイシャツの香りなんですよ。」なんて恥ずかしくて言えないですね。(文:木材バカ四代)

14・02・2005 「ウィスキーの樽」

最近、木がいろいろなところで再利用されていますね。
先日ウィスキーの樽を再利用してつくったシャープペンが売っていました。
ウィスキーの樽はオーク材でできているのですが、樹齢100年以上の巨木だけで出来ているのです。
しかも、この巨木の柾目だけを使用しているのです。
使い終わった樽を解体し、曲がった木を真直ぐに戻して家具などに再利用しているそうです。
すばらしいことだと思いませんか。
再利用で出来たシャープペンですが、しばらく眺めていて思わず買ってしまいました。
使ってみると、持ちやすく手にしっくりとなじみました。

ウィスキーのカオリがしてくるのでは・・・と思ったのですが、残念ながらカオリはしませんでした。
また、家具などの表面もしっかり乾燥させ塗装がほどこしてあるので、カオリはしないそうですが、締め切ったキャビネットを開けた時にほんのりとウィスキーのカオリが漂うことがあるそうです。
アルコール好きの私としてはウィスキーのカオリ付き家具、買おうかな・・・と思ってしまいました。(文:兄貴6)

04・02・2005 「ゴム木とスマトラ沖地震」

昨年末に起きたスマトラ沖地震では、多数の死傷者が出たことについて、深くご冥福をお祈り申し上げま
マレー半島やスマトラ島、インド、さらにはアフリカのタンザニヤまで津波に襲われたなんて、自然の脅威に驚かされました。
私個人的に、今回被害にあった国々のほとんどに行ったことがあるので、身につまされる思いがします。
自然を荒らした人間への、自然界からの報復ではなかったか…、と言ったら言いすぎでしょうか。
当エコモクでは、マレーシア産のゴム集成材を扱っております。
これはゴム採取後の廃棄材を再利用したものですが、お隣のタイでも同じです。
バンコクの南方約1000キロに位置するヤラ市の郊外には、周囲一面ゴムの木のプランテーションで覆われています。
昔はゴムを採取出来なくなった木は放置されていたり、野焼きをしていて、煙害など環境への悪影響が懸念されるようになっていました。
そこで、集成材として再利用したり、あるいは屑材を燃料として活用するバイオマス発電事業も計画されています。

2006年春の運転開始へ向けて準備が進められていますが、火力発電の化石燃料がその分節約できるので、CO2の削減にも貢献します。
スマトラ沖地震を教訓にして、自然界と人間界の共存共生を目指していきたいです。(文:木材バカ四代)

24・01・2005 「カゴメ野菜生活100」

先日、何気なく紙パックのカゴメ野菜生活100を「チューチュー」飲んでおりました。
喉に潤いを取り戻し、「プハーッ」と一息ついてカラになった紙パックを見ると、こんなことが書いてありました…。
「紙の原料は木、木は野菜や果物のように育てて収穫できる大切な資源です。この紙容器は計画的に植林が行われている森林資源から作られた紙が使われています。」
イヤー、これを読んだ時は嬉しかったですねー。

そうなのだよカゴメさん、わかってらっしゃる!
(と、これだけ野菜生活100の宣伝をしたら、カゴメさんから一年分プレゼントされちゃったりして…。
ちなみにポッカさん等はカートカン(間伐材や端材などの国産材を30%以上原料に使った紙製容器)の飲料品の販売に力を注いでいらっしゃいます。(文:木材バカ四代)

14・01・2005 「消えた街路樹」

先日、いつも歩き慣れた道を歩いていたときのことです。
何か街並みがいつもと違うなと思ったら、無くなっているのですよ、
街路樹の「ポプラ」が!
何でも、電線の地中化工事のため、一時的に撤去されたらしいのです。
スッキリしたなと思う反面、何かもの寂しいという気持ちも同時に感じてきました。
そう言えば、林野庁が「森林セラピー研究会」なるものを発足させたというニュースを耳にしました。
森林浴の効果を科学的、医学的に立証し、いくつかの候補地を「森林保養地」として指定、さらに「森林セラピスト」の指示により、それらの森を「森林療法」として利用していくということで、まずはそれに向けて研究を始めたというのです。
さまざまな用途がある木材が、今度は医療に役立つようになるとはすばらしいですよね。
例えばドイツなどでは、すでに100年以上前からされており、約400箇所の森林保養地で年間1000万人が療養しているということです。

ある調査によると、日本のサラリーマンの約60%が何らかの「ストレス」を感じているとか・・・(もちろん、この私もです!?)。
自分に最適な森はどこにあるのだろう?
早く探し出したいですなぁ。

また、江戸の大火、振袖火事の時には木曽材を買い占めて投機的に巨万の富を得ました。
吉原で豪遊したため紀文大尽(だいじん)と呼ばれ、それも資力の宣伝効果となって商売上の信用を高めたそうです。
数々の豪遊伝説が残されていますが、その中の一つに雪見の雪を消した話を紹介します。
文左衛門は吉原で雪見の宴を開いていました。
そこに奈良茂左衛門(材木商)も雪見をしているという情報が入ります。
奈良茂と紀文、この二人は宿敵のライバルです。
いつも互いの動きが気になって仕方ありません。
力を誇示するために、ばか騒ぎをしているのが日常茶飯事。
奈良茂の雪見を聞いた文左衛門、
「よし、茂左衛門の雪見をぶち壊してやれ!」
とばかりに三百両の小判を雪景色にばら撒きました。
女たちや通りがかりの者たちがワァッとばかりに集まってきて、美しい雪景色は泥だらけ。
川柳ではこう歌われています。
「紀伊国屋 蜜柑のように 金を撒き」
しかし1700年ごろ、文左衛門は時代の流れを的確に読み、従業員に十分な退職金を払い、スパっと店を閉めました。
現在の貨幣価値に換算すると三百億円以上の財産を残して店を閉めたのです。
一方、奈良屋茂左衛門は時代の流れに取り残され、非業な最期を遂げたそうです。
文左衛門や茂左衛門が活躍したのは元禄時代で、バブル景気で賑わった時代です。
インフレ政策がとられた時代でした。
ところが柳沢吉保や荻原重秀が職を離れ、デフレ政策をすすめる新井白石が要職に就きました。
要人の失脚により幕府とのルートが閉ざされてしまった…。
デフレ政策により材木の価格下落が大きい…。
幕府からの寺院造営などの特別財政支出が抑制された為、材木の需要が激減してしまった…。
しかし山大尽と長期契約している材木商は契約の通り江戸に材木が供給されてしまうのです。
つまり、在庫が増える一方なのに、その価格は下がる一方です。
文左衛門はこのような時代の流れにいち早く対応したのです。
文左衛門が生きた時代背景は、現在と似通っているところがあるように思います。
そういった意味でも、彼の生き方に学ぶところは大きいと言えるのではないでしょうか。
文左衛門が店を閉じたもう一つの理由は、妻の死と息子の病気にあるとも言われていますが…。
その後、浅草寺内から鳥越そして深川に閉居し、静かな隠居生活を送ったそうです。(文:木材バカ四代)